上下顎セットバック|輪郭と鼻どちらから整形したら良いか?

上下顎セットバックと鼻の整形、どちらを優先すべきか?(症例ビフォーアフター) 上下顎セットバック

こちらのページでは、「輪郭と鼻どちらから整形したら良いですか?」というご質問に対して、症例写真(上下顎セットバック+オトガイ形成のビフォーアフター)をご覧いただきながら解説します。

奥田DR
奥田DR

まず輪郭からお勧めします。

輪郭と鼻の整形を考えている場合、どちらを先に受けたら良いでしょうか?

結論からお伝えすると、まず輪郭(骨格)の手術からお受けになるようにお勧めします。

特にお口元の前突(ゴボ口)によりEラインがないことがお悩みの場合は、輪郭の手術(上下顎セットバック+オトガイ形成)を優先するようにお勧めいたします。

その理由は下記の2つです。

1. 鼻の整形を受けてもEラインの改善感は得られない。

口元が出ている状態に対して鼻整形(鼻中隔延長など)でEラインを整えようとしても、ほとんどの場合、改善感は得られません。

なぜならば、「口元が出ていて鼻先は下がっている状態」をつくるだけだからです。

多くのお客さまにとって、輪郭骨削り手術より、鼻手術の方がポピュラーでハードルも低く感じられることでしょう。

「鼻がきれいになってゴボ口も目立たなるのであればラッキー」と思う気持ちは、よく理解できます。

ただし、実際には「鼻の整形ではゴボ口の改善感はほとんど得られない」ことをご存知になっておくべきです。

2. まずキャンバスを整えるべき。

絵を描くときは、まずキャンバス(画用紙)のかたちやサイズを確認すると思います。

私たちの顔にとって、輪郭はキャンバスです。

たとえば、西洋人と東洋人ではキャンバス(輪郭)が違いますので、理想的な鼻のかたちも変わってきます。

ですから順番としては、まずキャンバスである輪郭を整えて、その輪郭にマッチするようにお鼻を整えるべきです。

Before→After

「上下顎セットバック+オトガイ形成」の術後3ヶ月目です。

症例写真は、私奥田のInstagramからの抜粋です。
(励みになりますので、フォローといいね、お願いします^_−☆)

正面・側面からご覧ください。

術前にはゴボ口があってEラインがない状態でしたが、お口元が下がることによってEラインが出てきました。

このようなケースに対して、お鼻の手術を優先しても、Eラインの改善効果が少ないことは明らかです。

逆に、輪郭の手術を優先したことによって、鼻のかたちもスッキリしたようにすら感じられます。

もし今後お鼻の手術をお受けになるとしても、Before(ゴボ口がある状態)に合わせるより、After(ゴボ口が改善した状態)に合わせた方が、トータルでのバランスがよくなることは間違いありません。

以上、輪郭整形と鼻整形の順番で悩んでいるお客様のご参考になれば幸いです。

上下顎セットバックとは?

上下顎セットバックのシェーマ
向かって左がBefore(デザイン)、右がAfterがです。

上下左右4番目を抜歯してスペースをつくり、前歯6本分の歯茎の骨を後ろに下げる手術です。

カットした骨の固定には、チタン製プレート(留め具)と、スチール製ワイヤーを使用します。

ワイヤーは、3番と5番の歯の根本にくくりつけてあり、術後2~3ヶ月して骨が固まってきたら外します。(5分程度の簡単な処置です。麻酔は必要ありません。)

チタン製プレートは、生体内での安全性が高い金属ですので基本的に抜きとらなくても大丈夫ですが、ご希望があれば術後1年目くらいを目処に抜去することも可能です。(ただしプレートを抜去する場合には、再度の全身麻酔が必要になります。)

上下顎セットバック|技術的な工夫

上下顎セットバックは、左右4番目を抜歯してスペースをつくり、歯茎の骨(前歯6本分)を後ろに下げる手術です。

私(奥田)が手術する場合、舌側に傾けたり後ろに下げたりするだけでなく、バランスをとるために、後ろ斜め上方へ引っ張り上げます。

ですから、一般的な上下顎セットバックと比べて、私が担当した症例では「鼻下の間延び感」は緩和されているかと思います。

上下顎セットバックのダウンタイム

上下顎セットバックのカウンセリングやオンライン相談で、最も多い質問は「ダウンタイム」についてです。

ダウンタイムとは、手術後に「腫れが目立たなくなるまでの期間」です。

個人差がありますが、平均的な経過は下記の通りです。

腫れのピークは術後2~3日目

手術当日をday 0、翌日を術後1日目(day 1)と勘定します。

腫れのピークは、当日や翌日ではなく、術後2〜3日目です。

ピークを過ぎると、腫れは日ごとに落ち着いていきます。

術後1週目

術後1週目だと「マスクをしていれば分からないくらい」に落ち着きます。

ピーク時と比べると、だいぶん落ち着いてきますが、まだまだマスクをしていないと目立つレベルです。

術後2週目

術後2週くらい経つと「マスクを外しても目立たないくらい」に落ち着きます。

まだ黄色みを帯びた内出血が残っていることはありますが、「メイクをすれば問題なく隠せる」レベルに落ち着いてきます。

術後2週目の完成度(回復度)は、およそ60%くらいです。

術後1ヶ月目

術後1ヶ月目は70%くらいの完成度(回復度)で、「ノーメイクでも目立たない」レベルに落ち着きます。

ただし、まだ小さくなった骨格に皮膚がフィットしていないので、(周りからは目立たなくても)ご本人はまだまだぽっちゃり感や違和感などを感じる時期です。

術後3ヶ月目

術後2~3ヶ月くらいかけて、少しずつ皮膚がフィットしていきます。

ただし皮膚のフィット力には個人差があるため、術後にたるみやぽっちゃり感が気になる可能性もあります。

その場合は、術後3ヶ月〜半年くらいかけて皮膚をしっかり休ませてから、HIFU/脂肪溶解注射/脂肪吸引など検討します。(予防的にセットバックと同時にお受けになることも可能です。)

メリット・デメリット

上下顎セットバックをお受けになると、下記のメリットとデメリットがあります。

メリット

1.ゴボ口や突出口を骨格レベルで改善できる。

口元(歯茎の骨)が出ている状態を「上下顎前突(じょうげがくぜんとつ)」と言います。

私(奥田)はあまり好きな言葉ではありませんが、上下顎前突があって口元がこんもりしている状態を「ゴボ口」「突出口」などと表現することが多いようです。

歯が出ている場合は歯列矯正でも改善を見込めますが、骨格が原因になっている場合は、歯列矯正だけでは十分に改善しません。

骨格レベルでお口元のこんもり感を解消したい場合に、上下顎セットバックは選択肢になります。

2. 口角が上がって表情が優しくなる。

口元が前に出ていると、ヘの字口に見られるため、怒っていないても怒っているように思われたり、不機嫌に思われがちです。

もちろん、人間にとって何より大切なものは内面です。

ただし、他人とコミュニケーションをとる上では、心の中が覗けるわけではないので、どうしても外見で判断される部分が多くなります。

私(奥田)自身、容姿に恵まれている方ではありませんので、若いうちは不公平さを感じたものです、、、

上下顎セットバックで口元が下がると、バランス的に口角が上がって見えるケースがほとんどです。

そのため、スマイリーでソフトな印象になります。

3. 小顔になって目鼻立ちがくっきりする。

口元が出ていると、その分、お顔が大きく見えます。

そのため、上下顎セットバックでお口元が後ろに下がると、お顔が小さく見えるケースが多いです。

また、遠近法のバランスで目鼻立ちがくっきり見えるようになるケースが多いです。

デメリット

1.術後の歯科治療が必須です。

上下顎セットバックをお受けになった場合には、

  1. 前歯6本分の噛み合わせを整えるため
  2. 抜歯した4番目(3-5間)のスペースを埋めるため

に、術後の歯科治療が必須になります。

歯科治療を受けずにそのままになさっているお客様も一部いらっしゃるようですが、整容面・機能面から考えると、必ずお受けになるべきです。

歯科治療には、大きく「ワイヤー矯正」と「セラミッククラウン」の2種類があり、それぞれ一長一短があります。(最近ではワイヤー矯正の派生として、マウスピース矯正なども選択肢になりました。)

セットバック後の歯科治療に習熟した歯科を紹介しますので、どの方法を選択するか、よくご相談ください。

2. 頬っぺたのぽっちゃり感が強調されるかも。

上下顎セットバックでお口元が後ろに下がると、メーラーファットやジョールファットなどが相対的に強調されるケースがあります。

予防策としては、セットバックと同時に脂肪除去を行うことが可能です。

また、術後半年以上様子をみてから脂肪除去をおこなうことも可能です。

脂肪除去手術を避けたいお客様は、脂肪溶解注射が選択肢になります。

3. 顎周りが長く見えるケースがあります。

口元が後ろに下がると、相対的に顎が長く見えたり、ボリュームアップしてみえるケースがあります。

そのため6〜7割のケースでは、上下顎セットバックと同時にオトガイ形成(顎先の短縮や位置の調整など)をおこなってバランスを整えます。

上下顎セットバックと同時に、オトガイ形成を行うべきか否かは、術前の検査やシミュレーションで画像を見比べて判断します。

お問い合わせはLINEから

上下顎セットバックについてご質問があれば、銀座フェイスクリニックのLINEアカウントからお問い合わせください。

ご予約のスケジュール調整などを除いて、「女性の輪郭(フェイスライン)」に関するご質問は、全て院長奥田が回答させて頂きます。